Deemo(Android版) その3
今回はその2で語り切れなかった”M”3曲の個人的解釈など。
例のごとくDeemo本編と砂時計のネタバレを含みます。
以下、歌詞はDeemo Wikiに準じます。(流石にヒアリングは無理です)
Magnoria
一言感想:哀しい愛に縋り続けた女の歌、彼女は果たしてこの叶わぬ世界でどれだけの時を過ごしたのだろう。
個人的解釈
歌詞は仮面の子視点と考えます。frozenだのbrokenだの慣れてしまえばいいのにだの、花占いの言葉を紡ぎながらWatch me fall & drop awayだの。自らを”Lacrimosa=哀れな女”などと述べながら、最後はHear me cry, Our love's dead dried. ですよ。
相当長い月日を過ごしたんでしょうね、自分が作って自分が望んで残ってしまった世界に。きっとDeemoは死者よろしく擦り切れてしまっていて、”Aliceのために”音楽を奏で続けることしか出来なくなってしまっていて、仮面の少女=かつてのAliceには見向きもしなかったのでしょう。そして仮面の少女もそれをしてはいけないと仮面をつけたままで。
ファンタジー系をかじったことのある方々なら考えたことがありましょう。”もし自らが不老不死になってしまったら、その精神はどのように推移していくのだろう”と。永遠の日々に心は擦り切れて、それでも何かを信じなければ生きている意味すら失いそうで、的な。
Myosotis
一言感想:嘆きと祈りの歌。そして勿忘草(私を忘れないで)。
個人的解釈
歌詞は Deemo=Hans視点だと思います。木の陰から”貴方が”助かりますようにと祈る相手はまぁAliceのことで間違いないかと。曲の各所にラテン語を使っているのは多分神への祈り、生前にコンクールで賞を貰えるだけの腕前であったHansは、様々な曲を弾き、学び、神を讃えるための曲も学んだに違いない、という推察をしています。
Magnoriaと対になる歌詞も見受けられるが、この奈落は作られた世界であり、最後にはお別れをしなければいけない、それを思うあたりが前の曲との大きな違いかな、と。
Aliceには悲しみを乗り越えていってほしい、これは通常のラストソングであるFluquorでも同じように語り掛けているが、よりHans自身の心情(というよりは祈り)を乗せているのかな、的な。
Marigold
一言感想:4周目のラストソングにして、本当の別れの歌。Alice、君は本当に強くなったんだよ。
個人的解釈
歌詞はAlice視点。なお曲を聴いていれば想像はつくかもしれませんが、1サビはHansからAliceへのメッセージで、2サビはAliceからHansへと考えます(1サビは相手に語り掛けていて、2サビはそれに答えていますので)。
歌も歌詞も直球すぎてツライ。最後の”大丈夫、強くなるから…(ため息)”がさらにツライ。
で、ここからは私の誇大妄想になるのですが、この歌詞の視点は”4周目の”Aliceとつけるのが正確なのかも。そら4周目の歌なんだからそうだろうと思いますが、私は前回の記事で
Deemo(Android版) その2 - 回り道と臆病者と。
周回でAliceは成長していて、何かをきっかけにあの夢の世界へ戻ってきているみたいなことを推測してましたが、4周目EDカード見た方ならわかると思うのですが、この頃になるとAliceは学校も卒業して、ピアノも恐らく兄が遺した譜面も全てマスターし、コンクールに出場する、その前日ぐらいにまた兄に会いに来た、とか考えてしまうわけですよ。だからその時のラストソングは祈りの歌ではなく。今までの思いを発した歌、そして兄は背中を押し、妹はそれに答えるための別れの歌となったわけですよ。現実に戻りコンクールの本番で弾く姿には、兄が、Deemoがかつて弾いていた後ろ姿が重なって見えて(ここまで早口でまくしたてるオタクの図)
あー気持ち悪っ。
そんな感じで3曲の個人的感想でした。解釈はどうとでもとらえられるように出来ているはずなので、私はこんな風にとらえたんだ、ふーん。ぐらいに見ていただければ。
とにかく、いいコンテンツだった。曲と世界観両方含めて。そう言えるゲームでした。